東京都日野市の石川美穂子さん(63)は33年前、自宅によく顔を出していた郵便局員のことを今も覚えている。
「お子様の誕生記念にどうですか」
局員はある日、そう言って期間限定の定額郵便貯金を勧めてきた。おなかが膨らんでいたころだ。赤ちゃんの写真が入る証書が魅力に映り、誘いにのることにした。
次女が生まれて1カ月余りが過ぎた1990年3月、両親や親戚から受け取った祝い金など計15万円を次女名義で局員に託した。将来、次女が結婚したときなどのサプライズにするつもりだった。
次女だけが貯金を失った理由は
長女や長男が生まれたときは…