第1回「母がくれた小遣い奪うのか」ショックで新車断念 消えた郵便貯金

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藤田知也
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 走行距離が25万キロを超えた軽自動車ムーヴを新車のタントに買い替えようと、思い出の深い貯金を下ろそうとしたときのことだ。

 「とにかくお金は返せません。貯金は払い戻せません。これは法律ですから」

 青森県十和田市の郵便局で若い女性局員に貯金証書を突き返され、看護師の女性(55)は頭が真っ白になった。ある日を境に貯金が消滅するという恐ろしい法律を初めて知ったのは、2021年秋のことだった。

 お金を預けた日のことは、今でもよく覚えている――。

父親の出稼ぎ中にこっそり渡された20万円

 20歳のときに母親が「将来…

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