美しい農村の風景を残したい 若い「よそ者」が南阿蘇で取り組む農業

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東野真和
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 2016年4月の熊本地震熊本県内の農地は大きな被害を受け、離農者が相次いでいる。山々に囲まれた美しい農村の風景を、なんとか残したい――。南阿蘇村ではそんな思いから、若者が中心となって農業の再生に動き出している。

 南阿蘇村はコメやソバなどの栽培が盛んで、耕地面積は地震前の15年は3380ヘクタール。それが地震によって用水路やあぜが崩れるなどして、16年7月の集計では2940ヘクタールに減少した。

 いったん回復したものの、22年は再び減少に転じて3110ヘクタールに。農業経営体の数は、15年の883から、20年には689へと2割減った。村によると、耕地面積を維持して景観を保つためには今後、次世代の担い手を新たに200人確保する必要があるという。

 そこで村では21年10月、吉良清一村長を理事長にした一般社団法人「南阿蘇村農業みらい公社」(資本金3千万円)を立ち上げた。

全員、農家以外からの転身

 公社では、研修生として栽培…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年4月12日17時53分 投稿
    【視点】

    この記事の「体調を崩したことを機に農業への転職を決めた」方の存在に注目した。 ガーデニングや庭いじりで土や植物に触れることが、心身のリフレッシュにつながる。そんなふうに感じている人は少なくない。暮らしに(必要なものを作るという意味での

    …続きを読む