道後温泉の全館再開、来夏に半年前倒し コロナ禍の休館中に工程進む

神谷毅
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 【愛媛】保存修理工事中の道後温泉本館松山市道後湯之町)の全館営業再開が、予定より約半年早い2024年7月になる見通しになったと、市が11日発表した。

 国の重要文化財である道後温泉本館は、19年1月から保存修理工事を始め、約68%まで進んでいる。地元経済への影響を最小限にするため、部分的に営業を続けながら工事を実施。現在は「神の湯」などで工事が行われている。

 当初は24年12月末の工事完了後に全館の営業を再開する予定だった。市によると、約半年ほど再開が早まったのは、新型コロナウイルスの流行で断続的に167日にわたって休館となった間に、工程の前倒しができたためという。

 また、重要文化財の保存修理のため、歴史的・文化的な調査をする必要もある。文化庁などと協議して調査人員を通常より増員できたことで、解体や調査の期間も短縮できたという。

 11日に会見した野志克仁市長は「1日でも早く営業を再開してほしいという地元の期待に応え、常にピンチをチャンスにと皆が進めてきた結果だ。地域経済をさらに活性化できると期待している」と話した。(神谷毅)

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