止まらぬ米国の文書流出疑惑 最高機密も…ウクライナ情勢への影響は

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ワシントン=下司佳代子 ソウル=太田成実
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 ロシアのウクライナ侵攻などに関わる米国の内部文書とみられる資料が流出した疑惑について、米国防総省は10日、資料に機密性の高い文書が含まれる可能性を認めた。米国がイスラエルや韓国など同盟国に対する情報活動で得ていたとみられる内容もあり、戦況や同盟関係への悪影響について懸念が広がっている。

 「安全保障に非常に深刻な危険をもたらしうるもので、偽情報を広める可能性もある」。国防総省のクリス・マー補佐官は10日の記者会見で危機感をあらわにした。「機密性が非常に高い資料を含んでいる事例もあるようだ」とも認めた。

 文書はゲーム愛好者に親しまれる対話アプリ「ディスコード」などのソーシャルメディアを通じて流布したとされる。ウクライナやロシア関連の作戦などについて、国防総省幹部らに毎日報告される書類と様式が似ているものの、画像の一部は改ざんされているとの見方も示した。

「流出は100点以上」と報道

 オースティン米国防長官が資料の不正流出疑惑について最初に説明を受けたのは6日朝。翌日から幹部らと不正な情報開示への対応の協議を重ねているという。

 疑惑は米紙ニューヨーク・タイムズが6日に初めて報じた。「トップシークレット(最高機密)」に分類された文書や、外国政府と共有しないことが明記された文書の画像が、ソーシャルメディア上に投稿されていたという。

 同紙は複数の専門家の話として、流出したとみられる資料は100点を超えると指摘。複数の元高官は、紙の説明資料を一度折りたたんでから広げたものを急いで撮影したように見える、と話しているという。

 内容には、ウクライナ軍の反…

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この記事を書いた人
下司佳代子
アメリカ総局|米国の外交・防衛
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