「困ったときはお互い様」被災者受け入れた旅館が半焼 福島・小名浜

西堀岳路
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 10日午前2時ごろ、福島県いわき市小名浜沖見の旅館「新よね」で、「建物内に煙が充満している」と宿泊客から119番通報があった。いわき東署などによると、木造一部3階建ての建物が延べ930平方メートル半焼し、約5時間後に鎮火した。宿泊客3人のうち1人が煙を吸って、病院へ搬送された。命に別条はないという。

 署によると、建物南西側の物置付近が最も激しく燃えているといい、原因を調べている。

 新よねは小名浜港近くの純和風の伝統ある旅館で、東日本大震災の津波で1階が浸水する被害に遭ったが、修復して営業を再開。昨年5月に同市で震度5弱の地震があった際には、市の臨時要請に「困ったときはお互い様」と応じ、土砂崩れで避難した近所の一家を受け入れた。

 この時、新よねに避難した河野辰弥さん(34)は「食事など、いろいろ親身に世話していただき、長男が小さかったので助かった。火事はショックで、何かお力になれることをしたい」と話した。(西堀岳路)

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