許可外なのに「いけー」 路上で山車激突16回、責任者を書類送検

上月英興
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 山車が激しくぶつかりあう「突き当て」で知られる福岡県苅田町の「苅田山笠」で、許可されていない道路上で突き当てをしたとして、行橋署は10日、山車を先導していた総括責任者の会社員男性(51)を道路交通法違反(道路使用許可違反)の疑いで行橋区検に書類送検したと発表した。男性は「危ないとは分かっていたが、達成感と満足感を得るためだった」と話しているという。

 署によると、男性は昨年10月2日午後5時過ぎ、苅田町京町1丁目の路上で、「いけー」などと呼びかけて、指揮する山車の舁(か)き棒を、他の山車に16回衝突させ、署の道路使用許可条件に従わなかった疑いがある。

 山車は全長約15メートル、幅と高さは各約3メートルで、数十人がかりで運行させる。突き当ては通常、町役場前の駐車場で実施され、署は道路使用許可を出す際、道路上では突き当てをしないよう条件を付けていた。道路上で突き当てをした際、現場で署員が中止を呼びかけたが、男性は止めなかったという。

 苅田山笠は「けんか山笠」とも言われ、県の無形民俗文化財。山車の運行は新型コロナウイルスの影響で中止が続いていたが、昨年は10基が参加したという。(上月英興)

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