「ブチャは自分たちだったかも」 フィンランド流のロシアとの接し方
ロシアによるウクライナ侵攻は、欧州の安全保障環境を一変させました。中でもロシアと1300キロもの国境で接する北欧フィンランドは、長年の軍事的中立の立場から歴史的な転換を果たし、北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。フィンランド国際問題研究所のマティ・ぺス主任研究員(外交・安全保障)に「隣国の苦労」を聞きました。
フィンランドのロシアとの付き合い方を理解するポイント①両国にある「力の非対称性」②対話と抑止③フィンランドの世論。なかでも、対話のチャンネルを途絶えさせなかったことが重要だったという専門家の分析です。NATO加盟に至るまでのフィンランドの揺れ動きを解説しています。
――昨年2月のウクライナ侵攻を受け、多くのフィンランド人が長年の軍事的中立の立場からの転換を支持しました。
攻撃までの準備期間が長く、関心が高まった末に実際に攻撃が始まり、フィンランドで衝撃が走りました。戦車が連なる映像が全面戦争であることを示していました。
その後、4月になってキーウ近郊のブチャ周辺で残虐行為が起きたことを示す映像が流れました。「これまでとは違う、何かが始まった」という見方が強まりました。分水嶺(ぶんすいれい)でした。
自分たちも長い国境線でロシ…
- 金成隆一
- 大阪社会部次長|災害担当
- 専門・関心分野
- 国内社会、米国、外交、ジャーナリズム
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