仙台のランドマーク「電力ビル」解体へ 10年かけツインタワーに

根津弥 福岡龍一郎
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 【宮城】仙台のランドマークとして60年以上にわたって親しまれてきた電力ビル(仙台市青葉区)を解体・再開発する計画が3日、明らかになった。一帯を再整備して、35階と24階建てのツインタワー型のビルを建設する。2025年度にも着工し、約10年かけてオフィス機能や商業施設、多目的ホールを備えたビルに生まれ変わる。

 電力ビルは9階建てで、1960年に完成。当時は、グランドホテル仙台と1千人規模のホールからなる北日本最大級の多目的な総合ビルで、ホテルには昭和天皇が宿泊したこともあった。その後、ホテルは83年に撤退し、2002年までは東北電力本店も兼ねていたが、老朽化が進んでいた。

 再開発計画は、東北電力グループの東日本興業(同区)や明治安田生命保険など9者でつくる再開発準備組合が3日に発表した。開発区域は東二番丁通りと広瀬通に面した約1・8ヘクタールで、明治安田生命仙台一番町ビルも解体する。今年度内に市に都市計画を提出し、明治安田生命のビルと電力ビル別館は25年度に、電力ビル本館は30年度に解体に着手したい考えだ。総事業費は数百億円規模を見込む。

 建設予定のツインタワー型ビルは、商業施設などを中心とした2棟の低層部分をつないでにぎわい創出を目指す。高層階はオフィス機能が中心となる見通し。ホールは現在より規模を縮小して整備する。

 市はビルの容積率の緩和や事業費の補助をうたった「せんだい都心再構築プロジェクト」を19年に始めており、準備組合もこうした支援策を活用する方針だ。

 東日本興業の宮岡隆常務は「東北の中枢にふさわしい魅力ある街並みを形成したい」と語った。仙台市郡和子市長はこの日の会見で、「都心の開発がいよいよ本格化していくとうれしく感じている」と期待した。(根津弥、福岡龍一郎)

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