強い「現役合格志向」を横目に 消えぬ「浪人ノスタルジー」の声

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聞き手・中島鉄郎
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 大学受験における「現役志向」はますます強まっているとされる。かつて大学入学者の多数派だった「浪人生」は少数派になり、年々、割合を減らす。度重なる試験方法の変化や、推薦・総合型入試の拡大、経済情勢などが、浪人を敬遠する理由なのか。にもかかわらず親世代以上には「浪人時代へのノスタルジー」が根強いのはなぜか。教育ジャーナリストの小林哲夫さんに聞いた。

 学校基本調査によれば、大学入学者に占める「19歳以上」の割合は18・97%です。浪人の比率はこの数字を目安に類推できます。医学部や難関大では浪人率は上がりますが、減少は続いています。

 私は以前、東大合格者の浪人割合を雑誌記事などで調べたことがあります。1963年の東大合格者数の上位校では日比谷63・5%(167人中106人)、西64・9%(134人中87人)、戸山73・4%(109人中80人)、新宿82・3%(96人中79人)と圧倒的な高さでした。

 先頃「週刊朝日」が掲載した…

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