坂本龍一さんが語った死生観 がんで号泣…痛みに弱いから行動できた

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山内深紗子
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 教授が天国に旅立ってしまった。

 世界的な視野に立ち、考え、発言し、行動できる人を失ってしまった。喪失感で眠れなかった。

 2度目のがんとの闘病中だった。

 2014年、62歳の時に中咽頭(いんとう)がんを経験してその後回復した。18年のクリスマス坂本龍一さんにがんとどう向き合ったのかや死生観について伺った。

 当時、記者(45)はがんの手術を受けて復職して間もない頃で、そのことをどう受け入れて進めばいいのか悩んでいた。

 翌年2月4日の世界対がんデーに合わせて、がんに向き合う方やその家族、社会へのメッセージを発信したいと考えた。

 自身の経験や迷いも伝えた上で、「坂本さんはがんとどう向き合い、その後の生き方にどう影響したのか、どんな死生観を持っているのかお伺いしたいのです」とお願いした。

 ニューヨークからすぐに返事があった。「良いですよ。お役に立つなら。クリスマスですが、いかがですか?」とあった。

 坂本さんの帰国時の定宿で私…

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    副島英樹
    (朝日新聞編集委員=核問題、国際関係)
    2023年4月3日21時26分 投稿
    【視点】

    取材する記者もがんの苦しみを経験しているからこそ、ここまで深い追悼記をつづることができたのだと思いました。「痛みに弱い」。これはおそらく、坂本龍一さんを理解するうえで重要なタームです。山内記者はこう書きます。  《自らの痛みだけではなく、

    …続きを読む
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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2023年4月5日9時25分 投稿
    【視点】

    昨夜はNHKの特番にじっくり見入ってしまいました。布団に入った後も「Merry Christmas Mr. Lawrence」を聴き直してしまいました。取材させていただいたことはないのですが、坂本龍一さんが亡くなったことの喪失感が、時ととも

    …続きを読む