常勝軍団へ「もうちゅうちょしない」 DeNA幹部が認めた特別予算

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構成・加藤秀彬

 プロ野球の横浜DeNAベイスターズは今季、1998年以来のセ・リーグ優勝をめざし、スローガンに「頂戦」をかかげた。

 ただ、見据えるのは目先の結果だけではない。

 2021年に設定した「20年後に世界一のスポーツチーム」というビジョンへ、大きく動き出した。

 大物メジャーリーガー獲得の裏側や、主力選手と複数年契約の意図。世界一への展望を、編成トップの萩原龍大チーム統括本部長に聞いた。

前提が変わった

 ――今季のチーム編成の特徴は。

 20年のオフに、生え抜きでチームを支えてきた梶谷隆幸選手と井納翔一選手を同時に流出させてしまいました。それを機に、選手層を厚くすることにちゅうちょしないと決めました。

 今までは一度に同じポジションにたくさん選手がいると予算オーバーになるとか、いろんな制限をかけてきた。思考をガラッと変えたのは、21年のシーズン中に世界一を目指すと決めた時からです。そもそも国内で常勝軍団になっていないと、そんなことを言うのはおこがましい。我々の前提条件が変わりました。

 ――ポジション争いが激しい遊撃手に、中日から新人王経験のある京田陽太選手を獲得しました。

 (19年ドラフト1位の)森敬斗選手が伸びてきてる最中なので、別の選手を取る可能性もあったかもしれない。だけど、京田選手のような選手が来るチャンスなんて一生に一度しかない。同ポジションに複数選手がいることでよりレベルが上がると思考が変わってきました。

「誰かの影で良いのか」

 ――そもそも、なぜ世界一を…

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この記事を書いた人
加藤秀彬
スポーツ部
専門・関心分野
陸上、サッカー、海外スポーツ
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    中川文如
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長)
    2023年4月7日9時18分 投稿
    【視点】

    「めざせ世界一!」。2004年オフ、ソフトバンクの孫正義さんが福岡ダイエーホークスを買収して福岡ソフトバンクホークスが誕生した時、掲げたスローガンです。失礼を承知で打ち明けます。当時担当だった私、「世界一」と聞いて脳内に「?」マークが点灯し

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