「夜の森」の桜、帰還の喜びに咲く 福島県富岡町で避難指示が解除

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西堀岳路 力丸祥子
【動画】避難指示が解除された夜の森の桜並木を楽しむ人たち=井手さゆり撮影
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 福島県富岡町で1日、東京電力福島第一原発事故で国が設定した帰還困難区域のうち、人が住めるよう除染した特定復興再生拠点の避難指示が解除され、記念式典には岸田文雄首相らが出席した。解除地区を一部含む全長2・2キロの桜の名所「夜の森(よのもり)」の桜並木も満開となり、8、9両日の桜まつりを前に、多くの人でにぎわった。

 解除は午前9時。式典は午後に桜並木に接する会場であり、山本育男町長が「地域コミュニティーの再生など課題はあるが、残された帰還困難区域の復興、再生に弾みがつく。地域の活力を取り戻したい」とあいさつ。岸田首相は「全ての帰還困難区域の解除を目指していく。解除はゴールではなくスタート。政府も魅力ある町づくりを支援していく」と述べた。

 避難指示が解除されたのは、夜の森地区など町面積の約6%にあたる390ヘクタール。今回で約93%が解除されたことになるが、なお約460ヘクタールの帰還困難区域が残る。一方、今回解除された地区の住民登録数は3月1日現在で町の2割強の2580人だが、昨年4月からの準備宿泊の登録は26世帯54人にとどまる。

 夜の森の桜並木は120年ほど前に入植者らが植えたのが始まり。その後も地元の小中学生が植樹し、住民らが清掃するなどして大切にしてきたという。

 この日は、同県浪江町で福島国際研究教育機構(F―REI〈エフレイ〉)の開所式も行われた。

 F―REIは福島復興再生特…

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