沼津駅周辺鉄道高架事業、静岡県とJR東海、JR貨物が協定締結

南島信也
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 JR沼津駅周辺の鉄道高架事業で、静岡県JR東海、JR貨物は30日、工事に関する役割分担と事業費の負担割合などを取り決めた工事協定を沼津市役所で締結した。秋には高架事業の前提となる新貨物ターミナル工事に着工し、整備が加速化される。

 協定は全体の枠組みを取り決めたもので、県とJR東海の間で高架本体と同市片浜地区の新車両基地などの工事(2023~41年度)とその事業費約1208億円、県とJR貨物の間で同市原地区の新貨物ターミナル建設の工事(23~27年度)と事業費約72億円を締結した。

 総額1280億円となる事業費のうち、JR東海が約40億円を負担し、残りのうちおおよそ国が55%、県と市が22・5%ずつ負担することになる。毎年度ごとに協定を締結し、事業の細部を決めていく。

 高架化東海道線約3・7キロ、御殿場線約1・6キロの区間で行われ、原地区の2カ所を含め15カ所の踏切も撤去される。これにより、鉄道で南北に分断されている中心市街地を一体化し、交通の円滑化を図ることなどが期待されている。

 この日の調印式には、沼津土木事務所の山本浩之所長、JR東海の加藤均建設工事部長、JR貨物の花岡俊樹東海支社長、頼重秀一市長らが出席した。山本所長は「活力と魅力あふれる街づくりにつながり、県東部の発展に大いに貢献する」と事業の意義を強調した。頼重市長は「鉄道高架事業は30年以上にわたる懸案で、その間に中心市街地はさびれてきた。新たな理念・哲学で街をつくりかえていく段階に入った」と協定を歓迎した。(南島信也)

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