富士山が噴火したら…「避難開始は発生後」 神奈川県の避難指針策定

足立優心
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 神奈川県は29日、富士山噴火時の広域避難指針を策定した。溶岩流が到達する可能性があるのは県西部の7市町。溶岩流は流下速度が遅いため、避難開始は噴火発生後とした。市町村に対しては、噴火の特別警報が出る前の段階から避難について検討する必要があるとした。

 指針によると、7市町は相模原、小田原、南足柄の3市と、大井、松田、山北、開成の4町。溶岩流の到達までの時間で最短は山北町(33時間)で最長は大井町(740時間)。避難対象エリア内の人口は約10万6千人に上る。

 噴火時の避難は通常の災害とは異なり、別の市町村の避難所に避難したり、自家用車や公共交通機関で逃げたりする。広域避難となり時間を要するため、市町村向けの留意事項として、「噴火警戒レベル4(高齢者等避難)などよりも前の段階から避難の検討に着手する必要がある」とした。

 県内では降灰の影響も受けるとしているが、「国で考え方の整理が行われている」として、今後反映を検討する。火砕流や大きな噴石の影響はないという。

 指針は神奈川、静岡、山梨の3県と国などで作る富士山火山防災対策協議会がまとめた新しい避難基本計画をもとに策定した。(足立優心)

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