取材に「不快感招いたなら不徳のいたす限り」

 国土交通省の元事務次官で東京地下鉄(東京メトロ)の現会長、本田勝氏(69)が、東証プライム上場の「空港施設」(東京都)に対し、国交省OBの副社長を社長にするよう求めていた問題で、本田氏は30日朝、報道陣の取材に応じ、「関係のある方々に懸念、不快感を招いたとすれば、私の軽率な行動の不徳のいたす限り。反省しなければならない」と述べた。

 本田氏は昨年12月13日、羽田など各地の空港でビルの運営などを手がける空港施設社を訪れて同社の社長、会長と面会。元国交省東京航空局長の同社副社長を、今年6月に予定される人事で社長にするよう求めていた。朝日新聞が30日、報じた。

 本田氏は報道陣に「国交省の現役の権威とか権限を振りかざすということはしていない」「(空港施設社側が)威圧を感じておられることはなかったと思う」などと語った。東京メトロ会長としての責任については「東京メトロとは関わりがない話。私自身がどうなのかは私自身が判断することではない」と述べた。

空港施設社の乗田社長「ちょっとなんか唐突だな」

 本田氏は国交省で航空局長、官房長、事務次官などを歴任して15年に退官。損保会社の顧問を経て19年6月から、東京メトロの代表取締役会長を務めている。

 一方、空港施設社の乗田俊明社長は30日朝、報道陣の取材に本田氏との面会を認め「ちょっとなんか唐突だなと思った。国交省としてサポートするとおっしゃっていた」と述べた。人事をめぐる圧力だと捉えるかどうかを問われると、「そういう風に受け止められるんだろうなとは思う」とした。