小学校の児童がメカブのそぎ作業を体験 本州最東端の宮古・重茂半島

杉村和将
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 本州最東端の岩手県宮古市の重茂半島で29日、重茂小学校の児童がメカブのそぎ作業に取り組んだ。学校の漁業体験の一環だが、漁師の家庭で育っている子供たちも多く、作業は手際よく進んだ。

 半島では養殖ワカメの収穫が続いていて、シーズンは大詰めを迎えつつある。この日は、漁師たちが収穫したばかりのワカメから、根元にあるメカブを学校に寄付してもらい、漁協の施設で児童たちが作業した。

 学校は春休み中だが、全校児童56人のうち多くが参加した。専用のカッターを使ってメカブの茎と葉をそぎ分ける作業で、児童たちは競うようにして大きなメカブを探していた。

 5年生の中村凌也さん(11)は父親が漁師で、6歳ごろから仕事を手伝っているというだけあって手慣れた様子。「作業は普通だけど、友達と一緒だからいつもより楽しい」とうれしそうだった。将来は父のような漁師になりたいという。

 同校によると、作業したメカブは漁協に買い取ってもらい、売り上げはPTAの活動費にあてる。昨年はメカブが不漁で中止だったため、今年は2年ぶりの作業。一昨年は11万円ほどの売り上げになったという。

 重茂半島は、ワカメやコンブの養殖のほか、ウニやアワビ漁、回遊魚を狙った定置網漁などが盛ん。この日のメカブを提供した30代の漁師は、作業を終えた児童を見送った後「一人でも多く後継者になってくれたらいいなという期待もあります」と話していた。(杉村和将)

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