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　幅広い分野の質問に自然な回答をする対話型AI（人工知能）の「Chat（チャット）GPT」を使った質疑が29日、衆院内閣委員会であった。岸田文雄首相は国会で似たような答弁を繰り返し、質疑が深まらないと指摘されている。首相とチャットGPT、どちらの答弁が誠実だったのだろうか。

　この日は感染症対応の司令塔をつくるための内閣法改正案などをめぐって議論した。立憲民主党の中谷一馬議員は事前に「法律案に関して、首相にどんなことを質問すべきだと考えていますか」とチャットGPTに尋ね、得られた質問をそのまま読み上げた。

　「改正法案に関して、地方自治体や医療現場の関係者の意見を十分に反映させているのかどうか。そして、改正法案に対する関係者の反応について教えてください」。質問は「20秒ほどであっという間に」（中谷氏）できたという。

　答弁に立った首相は、全国知事会や日本医師会などと意見交換したとし、「最前線で感染症対応に当たる地方自治体や医療現場の声を反映して整理された課題などを踏まえた」と説明。「法案は意見、要望に十分応えた改正だ」と述べた。

　これに対し、中谷氏はチャットGPTに「あなたが日本の首相ならどう返答するか」と事前にたずねて生成した首相答弁案をパネルで示した。「地方自治体や医療現場の意見を最大限取り入れることを目指した。ただし、関係者から様々な意見が寄せられており、適切な修正を加え、より信頼性の高い法案を作り上げていくことが必要だ」といった内容だったという。

　チャットGPTの答弁案について中谷氏は「首相の答弁よりも誠実でピントが合っているんじゃないか」と評価した。それに対して首相はチャットGPTの答弁案にはなかった具体的な「全国知事会」などの名を挙げているとし、「より実態を反映した答弁をしたのではないか」と自賛した。

　首相は通常国会で敵基地攻撃…