アマゾンを不便にすれば、本屋に人は戻る? 政治の助けを求めた先に

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宮田裕介
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 新刊書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が、全国で26・2%にのぼることが明らかになった。書店業界は、「文化が失われる」と、自民党の議員連盟に支援を求め、ネット書店の送料無料に対する規制や図書館の新刊本の貸し出しのルール作りなどが検討されている。

 元書店員で出版業界に詳しいライターの永江朗さんは「書店も表現の自由を担っているという意識が希薄では?」と疑問を投げかける。経営が厳しくなり、政治の力を借りることはどのような副作用があるのか。話を聞いた。

 ――新刊書店のない市区町村が、全国で4分の1に達しています。本が読まれなくなったからでしょうか。

 書店がなくなった要因は人口減少電子書籍の普及など複雑です。

 ただ、「書店が消える=本が読まれない」ではない、ということは押さえておく必要があると思います。

 日本の読書環境を考える時に…

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    田中知之
    (音楽プロデューサー・選曲家)
    2023年3月31日20時28分 投稿
    【視点】

    とても良い記事。僕は古本屋も含めて、本屋で実際に手に取って、数々の本に出会ってきました。Amazonはタイトルがわかっている時の買い物は便利だけど、思いがけない出合いがない。実際に手に触れ、ページをめくってから、意を決してレジに持って行く時

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    岡本峰子
    (朝日新聞パブリックエディター)
    2023年3月29日17時0分 投稿
    【視点】

    アメリカの「バーンズ・アンド・ノーブル」の業績回復について触れられています。福岡に勤めていた時代に、よく通った書店「ブックスキューブリック」も同じ理念で貫かれていると感じます。 空間や品ぞろえが店主の個性による。まさにその通りだと思います

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