異性への関心低い中高年男性、早死にする傾向? 山形大が2万人分析

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小川尭洋
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 異性への関心が低い中高年の男性は早死にする傾向がある――。山形大学医学部看護学科の桜田香教授の研究チームが、約2万人の追跡調査をもとに、そんな研究結果をまとめた。桜田教授は「今後、死亡リスクを低くする方法の開発につながる可能性がある」としている。今回、性的少数者は考慮に入っていないため、今後は調査手法を検討するという。

 論文名は、「日本人一般住民における異性への関心の欠如と全死亡率との関連(Association between lack of sexual interest and all-cause mortality in a Japanese general population)」。2006年刊行で、査読付き論文が誰でも無料で読める米国の大手オンライン科学誌「プロスワン」(https://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0277967別ウインドウで開きます)に昨年12月、掲載された。

 山形県内の7市(上山、山形、東根、酒田、天童、米沢、寒河江)で健康診断を受けた40歳以上の男女約1万9千人(男性約7700人、女性約1万1400人)を対象に、2009年から最大9年間(中央値7・1年間)、追跡調査をした。異性への関心の有無のほか、病歴、治療薬の使用、笑いの頻度、精神的ストレスなどについて質問し、死亡リスクとの関連について調べた。結果、異性に関心がないと答えた男性は8・3%、女性は16・1%。追跡調査中に死亡したのは、男性356人、女性147人の計503人だった。

 こうしたデータをもとに分析したところ、異性に関心がないと答えた男性は9年で9・6%が亡くなり、関心があるとした男性の死亡率の5・6%を上回った。この差は、年齢や持病などほかの要因を差し引いて考えたとしても「死亡リスクが高い」と結論づけた。

 一方、女性のデータからは、異性への関心と死亡リスクの相関性はみられなかったという。

 桜田教授は「異性など色々な人に関心を持って交流することは、心の健康や生きがいにつながるのかもしれない。何歳になっても異性とコミュニケーションを取ることが長寿につながる可能性がある」と指摘する。

 また、今回の調査は山形県民…

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