閉ざされつつある1.5度目標 「気候の時限爆弾」 IPCC報告書

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関根慎一
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 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は20日、地球温暖化に関する第6次統合報告書を公表した。世界は、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えることを目指しているが、いまのペースで温室効果ガスを排出し続ければ、排出限度に2030年までに達するという。「住みやすく持続可能な未来のための窓は急速に閉ざされている」と警告した。1・5度に抑えるには、25年までに排出を減少に転じさせ、35年には19年比60%減らす必要があるとした。

 報告書は6~7年ごとにまとめられ、温暖化対策の科学的根拠となる。次回の評価報告書までの間に気温上昇が1・5度を超える可能性もある。国連のグテーレス事務総長は「気候の時限爆弾は針を進めている。これは人類が生き残るためのガイドブックだ」と述べ、化石燃料の開発拡大を止めるよう要求。先進国に温室効果ガスの実質排出ゼロの目標を前倒しし、40年までに実現するよう求めた。

 排出削減対策の強化は5月の主要7カ国(G7)広島サミットや、年末の国連気候変動会議(COP28)で主要議題となりそうだ。

 報告書では地球の平均気温は…

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