朝鮮学校めぐる発言で、MBSラジオ幹部「一部配慮足りなかった」

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 MBSラジオ(大阪市)は3月17日、生放送の番組で出演者が朝鮮学校を「スパイ養成的なところもあったり」などと発言した問題について、定例の改編会見で「一部に配慮が足りなかった」とした。一方で、在日朝鮮人らの団体から受けていた「ヘイトスピーチ解消法の趣旨に反するのでは」との指摘に対しては、「ヘイトスピーチにはあたらない」との認識を示した。

 発言があったのは、2月21日の「上泉雄一のええなぁ!」。北朝鮮ミサイル発射実験について議論する際、経済評論家の上念司氏が、朝鮮学校について「OBが日本人拉致に関わっていたりする」「スパイ養成的なところもあったり」などと発言した。

 これを受け、在日本朝鮮人人権協会(東京都)の関西にある傘下団体は3月3日付で、同局に質問状を送付。「極めて重大な問題がある」と指摘していた。

 番組制作と編成部門のトップである有貞直明・コンテンツデザイン局長は会見で、上念氏の発言について「北朝鮮の指導者礼賛から子どもたちを守るという趣旨で、過去の事例についてもある程度事実に即して発言している」との見解を示した。

 さらに「上念氏は民族教育そのものを否定しているわけではない」として、「ヘイトスピーチにはあたらないと判断している」と述べた。

 しかし、「スパイ養成的なところ」という部分については、「過去の事案と現在の朝鮮学校をはっきりと区別して聞こえず、配慮が足りないと判断した」とし、YouTubeなどでは、該当部分を削除したものを改めて配信し、ホームページにおわびを掲出した。

 ただ、おわびの掲載は3月10日の1日限りだった。その理由は「長期間掲示することでの二次被害を懸念した」とした。

 その後、16日夕方になって再びおわびをアップし、YouTubeなどの配信は取り下げており、「外部から不誠実、不十分とのご指摘を受け、できる限り対応しようとしている」と釈明した。

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