死刑執行を当日告知に改めた詳しい理由は? 国「回答の必要ない」

松浦祥子
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 死刑囚に対し、執行を当日に告知する運用は憲法に違反するとして、死刑囚2人が国に損害賠償を求めている訴訟の弁論が17日、大阪地裁であった。執行の数日前の告知から、当日告知に運用を改めた理由などを詳しく説明するよう求める原告側に対し、国側は「回答の必要性を認めない」として応じなかった。原告側は、国の対応について「不誠実だ」と批判した。

 原告側は、前日までの告知事例が1970年代までに少なくとも数例あったと主張する。国側は、前日に告知した死刑囚が自死した事例があったとし「自死事例を受けて当日告知に改めた」と説明してきた。原告側は、この事例の詳細や同様の事例の有無、当日告知に改めた詳しい理由などを説明するよう求めていた。

 原告側は当日告知について、死刑囚が親族らと面会したり、不服を申し立てたりする時間的余裕がなく、「適正な手続きによらなければ刑罰を科されないことを定めた憲法31条に違反する」などと訴えている。(松浦祥子)

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