春闘賃上げ率3.8%、物価高で29年ぶり3%台に 連合初回集計

三浦惇平

 労働組合の中央組織・連合は17日、今年の春闘の賃上げ率が平均3・80%になったとする初回集計結果を発表した。異例の物価高や人手不足を背景に、前年同期比で1・66ポイント増えた。6月末の最終集計でも3%を超えれば、1994年以来29年ぶりの高水準となる。

 17日午前10時までに企業から回答を得た傘下労組の賃上げ率を集計した。賃上げ率は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給などを含む。近年は2%前後で推移してきたが、今年は大きく跳ね上がった。

 ただ、働く人全体の平均賃金を引き上げるのに重要なベア分は、明確にわかる組合の平均で2・33%。22年度の消費者物価の上昇率の政府見通し(3・0%程度)には届かなかった。

 今年は大企業で大幅な賃上げが相次いでおり、その流れが今後交渉が本格化する中小企業でも続くかが焦点だ。中小企業は取引上の立場が弱いため、原材料費などの高騰を製品価格に転嫁できず、賃上げの原資となる利益を確保できていないケースも少なくないとみられている…

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