自民の教員給与改革案「残業なくならぬ」 教員ら、給特法廃止提言
公立学校教員に残業代を支払わないと定める「教員給与特措法(給特法)」について、教員や大学教授らが参加する有志の会が16日、廃止を含めた抜本的な改善が必要だとして、要望書とオンラインで集めた約8万筆の署名を文部科学省に提出した。給特法を廃止し残業代が支払われるようにすれば、残業の削減につながる、と主張する。
給特法は、残業代を支払わない代わりに基本給の4%を「教職調整額」として支給すると定める。どれだけ働いても残業代がつかない「定額働かせ放題」の仕組みと批判されており、文科省は2022年度に公立校教職員の勤務実態を調べたうえで、今夏以降に中央教育審議会に給与体系の見直しを諮問するとみられている。
この日、要望書と署名を提出したのは岐阜県立高校教員の西村祐二さん(43)、名古屋大教授の内田良さん、作家の乙武洋匡さんらが参加する「給特法のこれからを考える有志の会」。給与改定の議論が本格化するのを見据え、昨年4月から署名活動を続けている。
提出に先立って記者会見した西村さんは「残業を減らすための障壁になっているのが給特法だ」と主張。給特法を廃止し、管理職が命じた残業に応じた給料を支払う仕組みにすれば、教員が残業することになったとき、命じた側に残業代支払いというペナルティーが生じると指摘。そうした仕組みのもとで残業を減らしていくべきだと訴えた。
自民党内では現在、①給特法廃止②給特法を維持し、教職調整額を引き上げる③教職調整額を引き上げ、学級担任や部活動顧問などへの手当を上積みする――案が検討されている。西村さんは②と③の案については、給特法の枠組みが維持されるため「残業を減らすことにはつながらない」と批判した。
- 【提案】
過労死や過労自殺も起きているような、毎月100時間残業の状況であるにもかかわらず、もし今回も、2案・3案のような調整額の増額、役職手当の創設(月収1~3万円アップ)で乗り切ろうとすれば、政府から教員へのメッセージは「お金を増やしたから我慢し
…続きを読む