「ぼっち・ざ・ろっく!」作者に聞く 妄想から生まれたギタリスト

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構成・河村能宏
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 歌はうまくない、ルックスもよくない、正統な音楽教育もほとんど受けていない。でも、音楽で何かを表現し、スポットライトを浴びたいと思った時に、すがることができる一発逆転の楽器、それが、エレキギターだった。

 これは、高校時代の記者(44)の話なのだが、そんな10代の頃を思い出させてくれるアニメに最近出会った。昨年テレビで放送された「ぼっち・ざ・ろっく!」だ。

 極度の人見知りだが、現実の世界でちやほやされたいとギターの練習に明け暮れる女子高校生「ぼっちちゃん」が、ひょんなことからバンドを組み、成長を重ねていく――。

 かわいい絵柄の「萌(も)え系」作品で、ギャグ要素も満載だが、臨場感あふれる演奏シーンや、舞台の一つ東京・下北沢のライブカルチャー独特の空気感など、随所ににじむ「ロック愛」が、若者はもちろん、私のようなロックファンの心をわしづかみにした。放送後もネット配信されており、アニメを見てギターを手にする人が後を絶たないほどの人気だ。

 原作は、月刊漫画誌「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で連載中の同名漫画。今回、作者のはまじあきさんが、朝日新聞の取材に応じた。はまじさんは、ぼっちちゃんの「陰キャ」は、自身の「妄想」から生まれたものだと語る。

     ◇

 前作の連載が終わり、担当の編集者と次回作をどうするか考えていた時、次は自分の好きな題材でなければ、漫画の執筆が不調な時に踏ん張れないなと思っていました。

 では、漫画と同じくらい好きなものは何か。それはロックバンドのアジアン・カンフー・ジェネレーションでした。

 ただ、バンドを題材にした漫…

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