制裁の穴ふさぎ始めた「友好国」トルコ なぜ今 ロシアは品不足懸念

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 ロシアの制裁回避の主な物流ルートの一つであるトルコが3月上旬、制裁対象品のロシア向けトランジット(通過)手続きを停止した。ロシアメディアによると、ロシアの主な「友好国」では初の措置だ。ロシアへの物流が一部止まることで、今後ロシア国内で値上げや品不足が起きる可能性があるという。

 トランジットは輸出国と輸入国との間で中継すること。空港などで第三国向けに貨物が積み替えられる。

 ロシアの経済紙コメルサントによると、欧州連合(EU)の制裁対象品について、6日夜からトルコの税関システムでロシアとベラルーシへのトランジット申告ができなくなった。「公式な発表はない」という。

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年3月15日8時18分 投稿
    【解説】

    トルコの行動を理解する上で重要になるのは、あくまでもこの問題は「トランジット」である、ということ。ロシアに入る物流のルートは複数あり、トルコはもちろんトランジット国の一つではあるが、唯一の国ではない。つまり、ロシアから見ればトルコを経由しな

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