慰霊碑建立を要望・大槌町職員遺族ら

東野真和
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 東日本大震災で町長と職員合わせて40人が亡くなった岩手県大槌町で、遺族と現・元職員の有志が10日、平野公三町長に、旧役場庁舎跡地の一部を無償貸与するよう要望した。犠牲職員の慰霊碑を建てるためで、平野町長は「しっかり受け止めたい」と応じ、認める方向で検討する考えを示した。

 建立のための遺族の会は町職員だった長女を亡くした小笠原人志さん(70)が代表を務め、現在25遺族が賛同している。震災当時に役場にいて助かった職員や退職者も今年1月に有志の会を設立。伊藤正治・元教育長(74)を代表に6人が加わる。小笠原さんは「旧庁舎跡にこだわるのは、役場の判断が惨事につながったという事実を伝えることで、今後の防災に役立つからだ」と話した。

 当時、庁舎の屋上に逃げて助かった平野町長は「こうした動きをうれしく思う」とした上で、検討中の旧庁舎跡地の活用策と「うまく調整していきたい」と述べた。

 遺族や職員有志らは今後、寄付を募り、町が追悼施設として整備予定の「鎮魂の森(仮称)」の完成後、建立に着手するとしている。伊藤さんは「もう十三回忌を迎える。これ以上遅れないように並行して進めていきたい」と話した。東野真和

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