岩手・大船渡、追悼施設を整備へ 静かに弔い「記憶や教訓、後世に」
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県大船渡市で、市が追悼施設の設置に向けた準備を進めている。2月末に大学教授や地元代表者らによる、整備に関する懇談会が意見書をまとめ、市に提出した。市は犠牲者の追悼や教訓の伝承に向け、今後の議論の参考にする。
市では419人が犠牲になった。市防災管理室によると、追悼する場を設けることは議論されてきたが、発災直後は遺族間でも整備の是非について賛否が分かれ、ハード面での復興工事が優先されたこともあり、実現しないままだった。
計画が進み出したきっかけは、市防災学習館(同市赤崎町)の整備にあたって2019年度に出された提言だった。震災を後世に伝えるため、慰霊碑などの追悼の場を設ける必要性を有識者らから指摘された。
22年5月には市職員による検討委員会を設置。市はその後、アンケートや有識者らによる検討を進めた。
アンケートは同8月、市内の犠牲者の遺族421人と市民500人を対象に実施した。その結果、追悼施設整備に賛同するかという問いに「はい」と答えた人は76%で、犠牲者の刻銘については「掲示したほうがよい」が40%、「しないほうがよい」が14%。献花する場は「必要である」54%、「必要でない」13%だった。
同11月には大学教授や地元…
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