景色と味覚楽しめる「ふたつ星4047」 茶畑の看板を高校生が制作

三ツ木勝巳
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 JR九州観光列車「ふたつ星4047」(武雄温泉―長崎)がまもなく、運行開始から半年を迎える。車内販売される地域の飲食物も大きな魅力で、その一つが佐賀県嬉野市の「ふたつ星うれしの茶」。専用の茶畑には地元の高校生がつくった看板も登場し、盛り上げに一役買っている。

 「ふたつ星4047」は2022年9月23日に運行を開始。日本一の干満差がある有明海と、波が静かで琴の海とも称される大村湾沿いを走る。ソファ席やカウンター席、ボックス席を備えた豪華な室内から見る景色や、車内で販売される地域特産の食べ物が楽しめる。

 「ふたつ星うれしの茶」の専用茶畑は、4代続く茶農家「副島園」の茶畑の一角にある。広さ約6アールで、栽培している茶葉は「あさつゆ」。「天然玉露」といわれ、鮮やかな色とまろやかな風味が特徴だ。

 車内では、冷茶と茶葉を販売。列車に乗りながら本格的な味を楽しんでもらおうと、甘さを生かすために通年冷茶で提供している。

 園主の副島仁さん(46)は「専用茶畑で育てた本格的な茶葉を通常より多く使い、時間をかけて水出ししている。渋いとか苦いとかというイメージがお茶にはあるが、そういったことが一切ない甘みの強いお茶を味わってもらえたら」と話す。列車の乗務員の人たちにも茶摘みや農作業をしてもらい、一緒にお茶をつくりあげていくことも計画しているという。

 茶畑には「ふたつ星4047専用茶畑」の文字や、JR九州のロゴなどをあしらった木製の看板(縦51・5センチ、横72・8センチ)が登場。嬉野高校建築科3年の大塚海斗さん、百田鉄馬さん、笠継粋花さんの3人が課題制作の授業で2カ月余りかけて完成させた。厚さ2センチの板に文字などを張り付けるなどした立体的なデザインが特徴だ。

 看板の除幕式が2月16日にあり、3人のほか茶畑やJR九州の関係者らが出席。大塚さんは「一つひとつの文字を丁寧に仕上げました。嬉野に貢献したかった。多くの人に見てもらいたいです」と話した。除幕式の後には、専用茶畑とは別の場所で採れた「あさつゆ」が振る舞われた。

 除幕式に出たJR九州客室乗務員の高橋美香子さん(24)は「専用の茶畑ということがより感じられる貴重な看板だと思います。うれしの冷茶はうまみだけでなく、色がとてもきれい。海の景色と一緒にお茶の写真を撮影するお客さまもいらっしゃいます」と話した。(三ツ木勝巳)

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