高速の向こう側は「海」だった 寝ずの活動を続けた救助隊長の2日間

有料記事

平川仁
[PR]

 当初の通報内容は、地震によるケガばかりだった。

 大きな揺れから1時間以上たち、若林消防署の山縣孝浩さん(56)は、他の隊員4人と宮城県仙台市若林区にある沿岸部の荒浜地区に向かっていた。

 東日本大震災の時、災害時の救助活動などが専門の特別機動救助隊で、16人部隊の隊長だった。

 署を出てしばらくすると道路が水浸しなのに気づいた。波の引く音は大きくなり、会話がままならない。「津波だ」。状況は刻々と変わる。気を引き締めた。

 海岸線から約3キロ。盛り土の高速道路に着くと、向こう側は壊れた家屋や車が漂う「海」だった。

「難しい判断の連続だった」

 日が沈みかける中、高速道を…

この記事は有料記事です。残り547文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【本日23:59まで!】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら