自民党の岸信夫・前防衛相の辞職に伴う衆院山口2区補選に立候補を表明している長男の信千世氏が、政治活動のために立ち上げた自らのホームページ(HP)に家系図を掲載していたことで、政治家の世襲をめぐる問題が改めて注目を集めています。海外ではどのような状況なのでしょうか。世襲政治家が多いフィリピンの政治に詳しい慶応大の粕谷祐子教授に聞きました。

 ――政治家の世襲は海外にも多いのでしょうか。

 世界の政治家の世襲状況を調べた米国の研究者ダニエル・スミス氏の調査では、国会議員で世襲が多いのは1位がタイ、2位がフィリピン、3位がアイスランド、4位が日本となっています。タイとフィリピンは共に世襲議員率が40%ほどで、アイスランドは30%、日本は27~28%でした。

 一方で、少ないのはドイツ、アルゼンチン、フィンランド、イタリア、カナダ、韓国、イギリス、スイスなどで5%程度です。

 ――フィリピンなどで世襲政治家が多いのはなぜなのでしょうか。

 フィリピンの場合、政党組織に…

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