第3回アフリカの政治学校で若手が学ぶ「中国式」 警戒に対する校長の反論

有料記事中国新世 「超大国」を束ねる論理

ダルエスサラーム=遠藤雄司 北京=高田正幸

 アフリカに昨年、中国共産党が資金支援する政治学校が開かれた。中国共産党と深いつながりがあるアフリカ6カ国の与党の次世代を担う若手たちが、この学校で中国の経済発展の手法や統治モデルを学んでいるという。謎のベールに包まれた政治学校を訪ねた。

 アフリカ東部・タンザニアの政治学校の門を通り抜けると、アフリカ南部の国々の政党旗に並んで、中国国旗の「五星紅旗」が翻っていた。

 手入れの行き届いた庭の先に、クリーム色を基調にした真新しい校舎がずっしりと構えている。吹き抜けのロビーから、芝生が美しい中庭が見通せた。

 アフリカの各政党の若手が学ぶこの学校は、中国共産党の資金援助で建てられた。

「中国のことを聞きたいのでしょう?」 ほほえむ校長

 昨年8月、タンザニアの最大都市ダルエスサラームから内陸のプワニ州へと車で1時間半ほど走った。

 ガソリンスタンドや雑貨店などが並び、大型トラックやバイクタクシーが行き交う騒がしい幹線道路から折れ曲がると、とたんに閑静な住宅街が現れた。車道以外は舗装されていないが、住宅の敷地内に生える草木は手入れが行き届いている。

【連載】中国新世 超大国を束ねる論理

中国共産党は米欧の価値観に対抗し、新たな選択肢として自らの価値観や発展モデルの国外発信にも力を入れています。眼中にあるのは現在の覇権国ともいえる米国の存在です。そうした「前線」の一つが、アフリカにありました。

 5分ほど車を走らせたその先…

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2023年3月11日16時19分 投稿
    【視点】

    タンザニアといえば中国の「一帯一路」の元祖のような存在です。私が鉄道を好きだからだけではなく、70年代に中国の援助で完成させたタンザン鉄道を覚えている方は少なくないと思います。64年に独立したタンザニアは当時日米が国交を持っていた台湾ではな

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