「お巡りさんいると安心」やりがいに 避難指示解除の町で駐在所再開

大月規義
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 福島県浪江、富岡両町の特定復興再生拠点の避難指示解除に伴い、福島県警は浪江町の室原駐在所と富岡町の夜の森駐在所を再開させた。いずれも東京電力福島第一原発の事故で閉所していたが、改修して3月30日から駐在員を置いた。

 室原駐在所に勤務が決まったのは、2015年に警察官になった小針龍介巡査部長(26)だ。昨年春から双葉署の浪江分庁舎で働き、今回、自ら室原駐在所の勤務を志願したという。

 原発事故が起きたときは天栄村の中学2年生だった。警察官になった翌年に、いわき南署の地域課に配属。浪江町などからいわき市に避難した仮設住宅などをまわった。

 「遠く離れた自宅がどうなっているのか、みんな心配していた」

 室原地区では昨年9月に準備宿泊が始まった。利用していたのは10人弱だという。ひとけの少ない地域のため、町が主催した住民説明会などでは、治安への不安の声が多く寄せられた。

 「お巡りさんがいると安心する。そう言われると、仕事にやりがいを感じる」。巡回しながら、すでに準備宿泊の人たちとは顔見知りになっている。「帰還や復興の手助けができればいい」と話していた。大月規義

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