津波警報塔の手動サイレン、運用終了 ボタン押してきた担当者の願い

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宮脇稜平
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 スマートフォンに届く通知に、スピーカーからの防災無線。地震が起こった際、津波の危険性はいろいろな方法で住民に伝わる。岩手県大船渡市では、それらに加え、手動のサイレンが用いられてきたが、31日で運用が終わった。管理を担ってきた女性は街の安全が続くことを願っている。

 大船渡湾を望む高台にある加茂神社(同市大船渡町)にそびえる、高さ24メートルの津波警報塔。31日正午、そこから「ウー」という最後の音が街に響き渡った。

 「ほっとした気持ちです」。サイレンの操作を終えて、そう語ったのは、四半世紀にわたって管理してきた山本布子(のぶこ)さん(63)。

 サイレンは警報塔の近くにある浄水場の担当者が手動で操作してきた。山本さんもその一人。主に休日や夜間の吹鳴を担ってきた。

 津波警報塔は、同市で53人…

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