片田舎のフィナンシェが人気商品に 地域ブランドとデザインのチカラ
張春穎
奥羽山脈に抱かれた山奥の過疎地にある小さな菓子店に、県内外からリピーターが訪れる。
岩手県西和賀(にしわが)町にある「お菓子処たかはし」は家族経営で創業61年になる。
リピーターたちのお目当ては、40年続くレシピでじっくり焼き上げる洋菓子フィナンシェだ。客から「知名度のあるマドレーヌに変えたら」と言われたこともあったが、こだわって作り続けてきた。
これまで土産品を置く地元温泉旅館が主な販売先だったが、販路がぐっと広がった。
そんな商品が人気を呼ぶようになったきっかけが地域ブランド「ユキノチカラ」だ。
かつて鉱山で栄えた西和賀町は急速な人口減が進む。1960年ごろにこの地域には2万人いたが、働き場は少なく、今では5千人に。2060年にはさらに半減する予測がある。「消滅可能性都市」とされる。
そんな西和賀町が15年、「ユキノチカラ」を誕生させた。
デザインで攻勢 売るまでサポート
記事の後半では、米国向けの統一ブランドを作った宮崎での試みや、大手食品メーカーに対抗する静岡での取り組みについても紹介します。
デザインの力を使って、土産…