原発の60年超す運転を認める法案、政府が閣議決定 野党からは異論

有料記事岸田政権

岩沢志気
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 政府は28日、60年を超えて原発を運転できるようにするための法案を閣議決定した。2011年の東京電力福島第一原発事故の教訓をもとに定めた運転期間のルールを変える。法案の内容や議論の進め方について原子力規制委員や野党から異論が出たこともあり、2月下旬としていた閣議決定は月末にずれ込んだ。

 改正するのは、原子力基本法原子炉等規制法(炉規法)、電気事業法など五つの法律で、国会では「束ね法案」としてまとめて審議する。再生可能エネルギー特別措置法なども一緒に議論するため、審議が十分にできないとの批判もある。

 原発の運転期間は、原発事故後に安全規制の柱として導入。炉規法を改正し、原則40年、原子力規制委員会が認めれば最長20年延長できると定められた。

 改正案は、原則40年、延長20年という骨格は維持したうえで、再稼働に必要な規制委の審査や、運転を差し止める司法判断などで停止した期間を運転期間に含めないことで延ばす。仮に10年間止まれば、最長で運転開始から70年まで稼働できる仕組みだ。

 運転期間の規定は、規制委が所管する炉規法から削除し、経済産業省が所管する電気事業法で新たに定める。経産相は、電力会社から延長申請があった場合、脱炭素や電力の安定供給につながるかを審査して認可する。安全性ではなく、利用の観点から判断する。

 安全性の確認は規制委が担う…

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    せやろがいおじさん
    (お笑い芸人・YouTuber)
    2023年2月28日15時45分 投稿
    【視点】

    具体的な内容が決まらないまま、反対を押し切って閣議決定。同様の光景を最近良く見るような気がします。防衛費に関しても、最近話題の子ども予算に関しても、具体性がなく内容がよくわからないまま閣議決定。同性婚や選択的夫婦別姓などはとにかく慎重なのに

    …続きを読む