「まず自分の命を」 東日本大震災で活動した元消防士、学生らに講演

大野晴香
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 東日本大震災について知り、防災にいかしてもらおうと、広島経済大学(広島市安佐南区)で25日、宮城県気仙沼市の元消防士佐藤誠悦(せいえつ)さん(70)を招いた講演会があった。学生や防災士ら20人ほどが集まり、現地での救助活動の様子などに耳を傾けた。

 講演会を開いたのは、学生による「災害を知り未来へつなごうプロジェクト」。被災地支援に取り組み、佐藤さんのもとに足を運んで交流を重ねてきた。

 佐藤さんは震災当時、気仙沼消防署に勤務。津波にのまれ、火災が発生する中、指揮隊長として消火活動に当たった。妻の厚子さん(当時58)は行方不明となり、約1週間後に遺体で見つかった。

 佐藤さんは「言葉では足りない」と、津波の映像やがれきだらけの写真を見せながら説明。時に涙で声を震わせながら被災後の救助活動について語り、「まずは自分の命を守って。それから周りの人たちを助けてください」と訴えた。参加した防災士の小松宏さん(43)は「救助活動にあたった消防士の話は初めて。貴重な経験になった」と話した。(大野晴香)

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