闘病しながら「レディーババ」「やせろ亜紀」「マツコデトックス」などに扮してきた。不幸をコスプレで吹き飛ばそうと、地域に笑いを届けてきた。朝日新聞岩手版などで昨年7月に紹介した金子恵美子さん=岩手県普代村=が同12月、がんで亡くなった。52歳だった。金子さんの活動に元気づけられた人は多く、働いていた精肉店がある村内の商店街の特売日にあたる25日、追悼写真展が開かれる。
金子さんは子どもの頃に病気を患い、入退院を繰り返した。20代で結婚し、男の子が生まれたが、1歳で亡くした。夫とも別れた。
30代半ば、知人の上神田敬二さん(49)が後に店主になる精肉店で働きだすと、明るい性格から近所の人気者になった。だが、45歳で乳がんが見つかり、母の介護をしながら抗がん剤治療を続けた。苦労の連続だった。
ままならない人生を明るく吹き飛ばそうと始めたのが、コスプレだった。
八代亜紀をまねた「やせろ亜…