「強制性交罪」→「不同意性交罪」に名称変更へ 法務省、刑法改正案

田内康介
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 性犯罪の規定を見直す刑法改正案をめぐり、法務省が「強制性交等罪」の名称を「不同意性交等罪」に変更する方向で検討していることが分かった。「意思に反して」という点だけで処罰する成立要件は見送ったが、名称を変えることで、同意のない性交は処罰対象となるというメッセージを打ち出したい考えだ。

 性犯罪の規定をめぐっては、法制審議会が見直しの議論を進め、今月17日に要綱を法相に答申した。法務省は3月中旬にも刑法などの改正案を今国会に提出し、成立を目指す。

 法制審の要綱では、強制性交等罪と準強制性交等罪を統合。「暴行・脅迫」「恐怖・驚愕(きょうがく)」「地位利用」など8行為によって、被害者が「同意しない意思」を「形成・表明・全う」することを困難な状態にして性交した場合に処罰するようにした。

17年に「強姦罪」→「強制性交罪」に

 「意思に反して」という点だけを要件とした規定の導入は「内心だけの問題になる」として見送った。

 一方で、被害者側からは「メッセージとして、同意のない性行為は処罰対象になることが国民に伝わるよう、せめて罪名は不同意性交罪にすべきだ」といった意見が上がっていた。

 法務省は「強制性交等罪・準強制性交等罪」の名称を「不同意性交等罪」、「強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪」を「不同意わいせつ罪」に変更する方向で検討を進めている。

 罪名をめぐっては、2017年の刑法改正で「強姦(ごうかん)罪」が「強制性交等罪」に変わった経緯がある。(田内康介)

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