大震災の朝鮮人虐殺、小池知事「歴史家がひもとく」 有無を明言せず

土舘聡一

 9月で発生100年となる関東大震災(1923年)で多数の朝鮮人が虐殺された問題について、東京都の小池百合子知事は21日の定例都議会で「何が明白な事実かについては、歴史家がひもとくものだ」と述べ、虐殺の有無について明確な認識を示さなかった。従来の答弁を繰り返した形だ。

 同日の代表質問で共産党議員に答弁した。質問では、都が1972年に発行した「東京百年史」で朝鮮人虐殺について「震災とは別の人災」などと記載されていると指摘し、知事の認識を尋ねた。知事は「様々な内容が史実として書かれていると承知している」と述べつつ、事実かどうかの判断は歴史家に委ねる姿勢を改めて示した。

 また、虐殺犠牲者を悼む式典への追悼文を2017年以降、送っていないことについても質問され、「甚大な災害と、それに続く様々な事情で亡くなられた全ての方々に対し、哀悼の意を表している」とし、姿勢を変えない考えを述べた。(土舘聡一)…

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    望月優大
    (ライター)
    2023年2月24日22時48分 投稿
    【視点】

    小池都知事の発言について「虐殺の有無について明確な認識を示さなかった」「事実かどうかの判断は歴史家に委ねる姿勢を改めて示した」と紹介するだけでは、関東大震災後の朝鮮人虐殺に関する知事の見解をそのまま受け取ってしまう、そんな読者がいてもおかし

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