ハングルか、ひらがなか 日韓のはざまでの「迷い」描いた作家の思い

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守真弓
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 「ことばの杖を、目醒(めざ)めた瞬間に摑(つか)めるかどうか、試されているような気がする」

 「아(ア)なのか、それとも、あ、なのか」

 1992年に37歳で早世した作家、李良枝(イヤンジ)は、在日韓国人女性である自身を投影した作品を多く残した。89年に出版された『由熙(ユヒ)』の中で、「母国」である韓国に留学している由熙という名の在日韓国人女性は、朝起きるたびに口にするべき言語に迷う。そして「同じ血の、同じ民族の、自分のありか」を求めようと切望しながら、韓国にも韓国語にも適応できないまま「杖が、摑めない」と日本に帰っていく。

記事後半では、米国のベストセラー小説をドラマ化した「Pachinko パチンコ」に出演する俳優、朴昭熙(パク・ソヒ)さんが、李良枝作品について語ります。

 良枝は、韓国出身の両親のも…

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