いい車両だな~ 祖谷渓のホテル、19年ぶりにケーブルカー新調

福家司
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 徳島県三好市の秘境・祖谷渓に面した「和の宿 ホテル祖谷温泉」にある、谷底の露天風呂に向かうケーブルカーが19年ぶりに新調され、2月22日朝から運転を始めた。ケーブルカーは40年近くホテルの名物として親しまれ、今回で4代目の新車導入となる。

 ホテルは渓谷の露天風呂で知られ、入浴客が山道を登り下りしなくてもよいように、開業約12年後の1984年、斜面にケーブルカーを開設した。現在はホテル隣と谷底に乗り場があり、標高差170メートル、42度の急斜面250メートルを片道約5分で自動運転されている。宿泊客と外湯客が無料で利用できる。

 新しい車両は全長9・15メートル、幅1・6メートル、定員17人で、2004年から運転されてきた3代目とほぼ同型の車両という。車体側面と屋根にピンクと赤のイワツツジ、車内の天井には鮮やかな赤のヤブツバキが描かれている。ホテル内にも作品が飾られている壁画絵師、木村英輝さんが手がけた。車内には、開閉できる窓を増やして渓谷の風をより感じられるようにした。

 車体は福岡県の嘉穂製作所、車輪やブレーキなど下回りは高松市の東洋製作所で作られ、合体して運ばれてきた。クレーンを使って14日に3代目の車両を撤去し、16日に4代目の設置を終えた。

 3代目が老朽化していたため、昨年ホテルが創業50周年を迎えたのを機に、車両を新調することにしたという。細谷秀雄支配人は「ケーブルカーで行く露天風呂は当ホテルの名物で、楽しみにしているお客様も多い。渓谷の景観にもマッチした新車の導入で、一層気持ちよくご利用いただけると思う」と話している。

 4代目の導入を記念して、28日まで、入浴料を大人1千円(通常1700円)、子ども500円(同900円)に割り引くキャンペーンを実施する。スマホなどでフェイスブックのキャンペーン画面を提示することが条件。1アカウント5人まで。

 同ホテルのある大歩危・祖谷温泉郷では、ホテルかずら橋(三好市西祖谷山村)にも山上の露天風呂に登るためのケーブルカーがある。(福家司)

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