松本零士さん死去、85歳 「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」

 「銀河鉄道999(スリーナイン)」「宇宙戦艦ヤマト」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などのSF作品で知られ、1970~80年代のアニメブームを牽引(けんいん)した漫画家の松本零士(まつもと・れいじ、本名晟〈あきら〉)さんが13日、急性心不全のため死去した。85歳だった。東映が20日発表した。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻で漫画家の牧美也子(まき・みやこ)さん。後日お別れの会を開く予定。

 福岡県久留米市出身。高校生でデビューし、71年、極貧青年をコミカルに描いた「男おいどん」で人気漫画家となった。

 74~75年放送のテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の企画に参加、監督を務め漫画版も発表した。本放送の視聴率は振るわなかったが、再放送から人気に火がつき、77年の映画版が大ヒットした。

 同年には、鉄郎少年と謎の女性メーテルが列車で宇宙を旅する「銀河鉄道999」の連載を始め、アニメがテレビ、映画ともにヒットして代表作に。同時期の「宇宙海賊キャプテンハーロック」も人気を集め、SF漫画の第一人者となった。

 2001年に紫綬褒章、10年に旭日小綬章。海外でも人気が高く、12年に仏芸術文化勲章シュバリエを受けた。宇宙にかかわる活動にも熱心で、子どもの興味をはぐくむ公益財団法人「日本宇宙少年団」の理事長も務めた。日本漫画家協会常務理事、宝塚造形芸術大学(現・宝塚大学)教授も歴任した。

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2023年2月21日14時36分 投稿
    【視点】

    「71年、極貧青年をコミカルに描いた「男おいどん」で人気漫画家となった」との紹介に2023年と1971年の相違を感じる。1971年当時の読者が、あの主人公を「極貧青年」とみなしていただろうか。 主人公は九州から中卒で上京した工場労働者

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年2月20日12時15分 投稿
    【視点】

    テレビにかじりつくように「宇宙戦艦ヤマト」を見ていたあの頃を思い出します。当時まだ小学生低学年だったので、記憶が少しでも残っているということは、よほどのインパクトだったのでしょう。 子どもの心に何が刺さったのかはわかりません。ただ、戦

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