第5回脱炭素とエネルギー安保重視で独自のGXアピール G7広島サミット
脱炭素社会の実現など、近年、世界の気候変動対策はG7が先導してきた。一方、日本は、石炭火力や電気自動車の扱いで、他国と対立することもあった。
今回、議長国となるG7に向け、日本独自の「GX(グリーントランスフォーメーション)」の具体化を進める。4月の気候・エネルギー・環境相会合ではGXをアピールする方針で、脱炭素とともにエネルギー安全保障の重要性を強調する意向がある。原発もエネルギー安保に貢献する電源として位置づける方向で各国と調整を進める。
一方、温室効果ガスを大量に出す石炭火力の廃止で新機軸を打ち出す予定は現時点でない。火力発電に混ぜて燃やすことで排出を減らすとする水素やアンモニアの技術活用を打ち出す方向だ。環境省幹部は「先進国のターゲット競争は意味がない。途上国の面倒をしっかり見ないといけない」と話す。政権はグローバルサウス(途上国)との協力を重視しており、昨年岸田首相が呼びかけた「アジア・ゼロエミッション共同体」を通じて、売り込みたい考えだ。(関根慎一)
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