第6回大地震で電車からの避難、もしも車いすなら… みんなが力になれる

有料記事災害「もしも」シリーズ

竹石涼子
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 手術やけがの後遺症で、40代半ばになった5年ほど前から歩行が難しくなりました。つい最近まで通院や通勤も車いす。もし今、地震が来たら、どう避難するのか――。地下鉄などに乗るときは不安を感じていました。都営地下鉄の協力を得て、避難を経験させてもらいました。被災地である仙台や神戸の地下鉄の取り組みにもヒントが見つかりました。

 やってきたのは東京都板橋区にある車両検修場。最大震度6弱の大きな地震が起きて、地下鉄から線路上に乗客が降りる事態を想定し、実際に降車を体験させてもらった。

 少しは歩くこともできるので、まずは徒歩で避難する方法を体験することに。乗務員や係員が簡易な階段のようなはしごを電車から線路にかけた。傾斜はかなり急で、手すりは片側のみ。数段だが、体がふらつき、思いのほか時間がかかった。できることは自分で、と思ったが、難しいと感じた。

 私の体験の直前には避難訓練が行われていた。そこでは「支援を必要とする乗客から案内する」とアナウンスが流れていた。ほかの乗客より先に降りることになれば、「早くしなければ」とさらに焦りそうだ。

 次に体験させてもらったのは担架。座席に置かれた担架に横たわり、転落防止ベルトを締めてもらう。しゃがむのが困難な私にとって、この高さだと乗りやすい。乗務員ら4人は担架の扱いに慣れており、水平を保ったまま、静かに電車の外に運んでもらった。それほど怖さは感じなかった。

 見守っていた同僚記者も「無理して階段を自力で降りるより、担架に乗った方が自分も周囲も早く避難できると思う」。確かにそうかもしれない。

 ただ、体験を経て悩みは深まった。「地震などの緊急時にこんな手厚い態勢で担架を使えるのだろうか」。「ほかの人を巻き添えにしたくない」という思いもある。

 そんな思いで、東京都交通局

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