偽エアバッグ、パキスタン人ら40カ国で2億8千万円売り上げか

大山稜

 大手自動車メーカーのエアバッグの偽物を米国に輸出しようとしたとして、警視庁は16日、パキスタン国籍の中古車販売業者の男(36)ら4人を関税法違反の疑いで再逮捕し、発表した。同庁は、4人が米国など約40カ国に偽のエアバッグを輸出し、約2億8千万円を売り上げたとみている。

 生活経済課によると、4人は昨年11月ごろ、自動車大手「ホンダ」「スバル」のエンブレムをまねた偽のエアバッグユニット12個を、成田空港千葉県)から米国の個人宛てに輸出しようとした疑いがある。同課は4人の認否を明らかにしていない。

 昨年5月に経済安全保障推進法が公布され、輸出の取り締まりを強化していた東京税関の検査員が成田空港で偽のエアバッグを見つけて事件が発覚した。商標権などの知的財産を侵害した商品の輸出行為が摘発されるのは全国で初めてという。

 4人は今年1月に偽造エアバッグを販売目的で所持した疑いなどで逮捕されていた。同課は、4人が2020年6月~22年11月にトヨタ、日産など国内メーカー8社の偽造エアバッグや関連部品計約8200個を米国の通販サイト「eBay」などを使って輸出販売し、約2億8千万円を売り上げたとみている…

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この記事を書いた人
大山稜
仙台総局|行政担当
専門・関心分野
気象、防災行政、労働
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年2月18日16時48分 投稿
    【視点】

    知財侵害で摘発するのは初めてのケースとのことだが、これも経済安全保障という観点からすると重要な問題。商標権だけでなく、それに付随する技術の流出ということも問題視しているのだろう。まあ、今後、こうした知財関連の取り締まりは厳しくなっていくと思

    …続きを読む