「間違うと安倍派と政局になりますよ」牽制された首相 日銀総裁人事

有料記事岸田政権

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 日銀新総裁の人選をめぐっては、安倍派(清和会)の出方も焦点の一つだった。安倍晋三元首相の遺産ともいえる「アベノミクス」に、これからどう向き合うのか。岸田首相が対応を誤り最大派閥の反発を招けば、政権が不安定化する恐れもあった。

 安倍派内からは、早くから首相ら官邸側を牽制(けんせい)する声が上がっていた。

 「日銀総裁人事で間違うと、清和会と政局になりますよ」。昨年11月下旬、岸田首相と会食した安倍派幹部はそう念を押した。「アベノミクスはまだ道半ばだ。金融政策を転換する状況にはない」。2月3日の記者会見で、同派の世耕弘成参院幹事長はそう強調した。派内からも「アベノミクスを否定する人を充てるなら、国会同意人事で造反して反対する」(中堅議員)との声も漏れた。

首相「アベノミクスの否定に見えないように」

 首相も、市場への影響と党内…

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    内田晃
    (朝日新聞政治部次長)
    2023年2月15日14時54分 投稿
    【視点】

    対応を誤れば「政局になりますよ」――。およそ日常生活で、面と向かって相手にこんなことを伝えることはないと思います。何とも穏やかではない世界です。 記事にあるとおり、首相は安倍派だけに特別な配慮を示すことはなく、麻生副総裁や茂木幹事長も

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