止まらない自転車の盗難、嘆く警察 原因は「大切にしないから」説?

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黒田早織

 自転車の盗難被害が増えている。犯罪全体に占める割合も大きく、警察にとっては悩みの種。背景を取材していると、ある警察幹部が言った。「盗む側も盗まれる側も、自転車を大切にせえへんからちゃう?」。どういうことなのか。

 夜遅く、駅から住宅街へフラフラと走る、無灯火の自転車。体格と自転車のサイズが合っていない。怪しんだ警察官が職務質問すると、案の定、駅前で盗んだものだった――。自転車盗のよくあるケースだ。

 兵庫県警によると、昨年の県内の自転車盗は6484件。前年の5111件から26・9%増えた。刑法犯全体の約2割を占め、窃盗犯の手口別でもワースト。2番目に多い万引き(4091件)を大きく上回る。

 昨年の刑法犯認知件数は3万3017件で前年より10%増え、20年ぶりに前年より悪化した。「自転車盗が犯罪統計の全体を押し上げている」。県警刑事企画課の担当者は嘆く。コロナ禍で減った人の移動が徐々に戻っていることが増加の理由とみる。

 傾向は全国でも同じだ。警察庁が2月7日に公表した犯罪統計によると、昨年1年間に全国で自転車盗は12万8883件あり、前年より20・9%増えた。

自転車は「使い捨て」?

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