第21回日本の難民認定はなぜ少ないのか 審査参与員として感じた問題と圧力

[PR]

 日本は先進国の中で、きわめて難民認定のハードルが高く「難民鎖国」と批判されてきた。難民の解釈が時代遅れだ、との指摘もある。日本の難民受け入れについて、国際法が専門で、難民認定の審査で意見を述べる「難民審査参与員」を10年間にわたり務めた明治学院大学の阿部浩己教授に聞いた。

 ――2022年は日本もウクライナからの避難者を多く受け入れましたが、日本は難民条約上の「難民」と認定するハードルが高すぎ、難民の受け入れが非常に少ないと批判されてきました。なぜ、これだけ批判されても認定率が低いままなのでしょう。

 (難民申請を審査をする法務省出入国在留管理庁は)特に厳しくしているという意識はないのではないでしょうか。「日本に真性の難民はほとんど来ない」という意識が、本当に強いんだと思います。「本当の難民は適正に認定している」と。

 ではなぜ、国際的な基準に照らして厳しいのか。やはり、出入国管理機関の中に難民認定機関があるため、「疑わしい人は入れてはいけない」という、いわば「水も漏らさぬ」入国管理を忠実にやっているということだと思います。だけど、難民認定は疑わしくても保護するべきは保護する、という考え方でないといけません。

 ――諸外国では、入管当局から独立した組織が難民認定をしているのですか。

 難民認定は、だいたいどの国…

この記事は有料記事です。残り3554文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載気づけば「移民大国」 どうなる?日本への労働者(全30回)

この連載の一覧を見る